流域連携基金事業:実施状況

水源地“うきは”体験事業

筑後川の水源地である「うきは市」に行きました。朝は曇り空だったこともあり、前日に降った雨が心配されましたが、時間が経つにつれ晴れ間も広がり、天気にも恵まれた良い1日となりました。社寺や国が指定する有形文化財の見学、茶摘み体験を通して、筑後川の水と共生してきた歴史や自然豊かな「うきは市」を知るとともに、環境保全や水の大切さを学ぶなど、様々な体験ができた1日となりました。

【日 時】
平成30年5月19日(土)
【場 所】
うきは市 長野水神社、山春地区、清水寺、楠森河北家住宅、にじの耳納の里
【参加者】
福岡都市圏住民 76名(福岡市42名 筑紫地区16名 糟屋地区6名 糸島市12名)

長野水神社(ながのすいじんじゃ)

江戸時代初期、筑後川の水を利用するために命を懸けて大石堰・長野用水を作った5人の庄屋を祀った神社です。堰・用水の完成は、うきは地方に新たな恵みをもたらしました。神社の熊抱(くまだき)さんから、神社と用水の説明、ご自身の子ども時代の筑後川の話などを聞きました。

山春地区(開会式・茶摘み・手もみ・石臼挽き体験)

山春地区にある茶畑にて、開会式を行ったあと、茶摘み体験をしました。今回は、楠森堂茶園の茶畑にて茶摘みを行いました。国内では極めて希少な日本古来の実生在来茶園ということで、とても貴重な茶葉を摘ませていただきました。

茶葉を摘み終わったら、摘んだ茶葉を釜に入れて、太い枝で煎ります。最初は力を込めて、その後は揉み回す様にして、乾燥させていきます。煎っただけで茶葉のいい香りが漂ってきます。茶葉を煎り終えたら、手もみ作業です。茶葉をござの上で揉んでいくと、煎った時よりもさらに茶葉のいい香りがしていました。参加者の皆さんは、熱心に取り組んでいました。

今年も民俗資料館から石臼を3基借り、茶葉を挽いて、粉茶を作りました。なかなか体験することがない石臼挽きに、子どもたちに夢中になっていました。この粉茶は、昼食時に清水湧水から汲まれたお水に混ぜてお茶を作ったり、ジェラートにかけて、抹茶ジェラートにするなど、楽しみながらおいしくいただきました。

楠森河北家住宅、清水寺(せいすいじ)見学・にじの耳納の里

昼食(うきは名物のほっこり弁当)を食べた後は、清水湧水ふれあい広場に移動し、そこから楠森河北家住宅と清水寺の見学に行きました。
楠森河北家住宅は、浮羽に800年続く楠の森に囲まれた河北家の旧家で、「壁結(かべゆい)」などの歴史や伝統行事などを伝える屋敷構成が当時のまま残された貴重な建物として、国が指定する「登録有形文化財」です。普段は見ることのできない歴史ある建物の見学に、参加者の皆さんは心安らぐひとときを過ごしました。
日本の名水百選に選ばれている「清水湧水」がある清水寺を見学しました。お寺は鎌倉時代からの名刹で、山門や観音堂など、程よく苔生したとても雰囲気のあるお寺で、湧水を水筒などに入れて持ち帰る人もいました。
帰りは、にじの耳納の里に寄り、野菜などの特産品を買いました。

『楠森河北家住宅』

『清水寺』

『にじの耳納の里』

うきは名物『ほっこり弁当』

アンケートより

○水のおかげで住民の生活が成り立っている反面、水害という大きな災害も受けている。
 私達がおいしいものを食べられて、水にも困らないのは”うきは”のおかげだと改めて感じました。

○日常何の不便も感ぜず、使っている水を得るのに先人が大変な苦労をしていた事に感謝の念を持ちました。